初心者のフルート

初心者が選ぶべきフルートとは

@楽器の材質について
「本物のフルート」という意味では総銀製ですので、安価である洋銀(白銅)製は「偽物のフルート」ということになるかもしれません。しかし、その偽物の方が早く上達するし吹いていて楽しいとしたら、一概に本物の方がいいとは限りません。初めてフルートを吹くとき、ただでさえ音出しに手こずるのに、ましてや総銀製のフルートなんて難しすぎるのです。

 

 

Aインラインか、オフラインか
見た目がスマートでかっこいいのは、全てのトーンホールが直線上に並んでいるインラインのフルートです。ただし、それだけのこと。オフラインのフルートは指使いが楽で自然ですので、音に違いがないのであればこちらを選ばない手はありません。

人によってはインラインの方が指使いが楽な場合もあります。また、慣れれば何の問題もないという見解もあります。

 

 

 

Bカバードキーか、リングキーか
カバードキーであれば機械的にトーンホールを閉じるので、隙間ない(しっかりした)音を楽に出すことができます。一方、リングキーはトーンホールの大部分を指先で閉じるので、隙間のある(スカスカした)音になりやすいです。

リングキーのフルートは微妙な指先のタッチで音をコントロールできるので、高度な演奏に向いています。なお、普通に音を出すだけなら両者に音の違いはありません。

カバードキーであれば楽にキーを押さえることができるので、指使いが雑にならないよう注意が必要です。リングキーは丁寧な指使いをしないと音が抜けるので、基本をしっかり身につけたいのであれば最初からリングキーがいいです。

詳しくは >>>> リングキーが登場した背景とは

 

 

 

CEメカニズムについて
フルートのEメカニズムとは、高音(3オクターブ目)のE(ミの音)を出しやすくするための仕組みです。

 


Eメカニズム無しのフルートで、高音Eを押さえると矢印のトーンホールが開いた状態になっています。これは中音Aを押さえたときに似ているので、間違って中音Aの音を出してしまう危険性が高くなります。

 


こちらはEメカニズム付きのフルートで高音Eを押さえたところ。矢印のトーンホールが閉じた状態になっていて、音響工学的にはこれが正しいのです。

Eメカニズムが付くと楽器の重量が増し、見た目もスッキリしないので上級者やプロには好まれません。また、高音GとAのトリル(切り替え)が高速でできないデメリットもあります。

 

 

 

Dメーカー品か、無印(中国製)か
フルートで最も信頼性が高く、プロや上級者に愛用されているのは日本のムラマツというメーカーですが、最低でも20万円以上もするので庶民には高根の花です。日本のメーカーで庶民的なのは、やはりYAMAHA。といっても最低6万円はしますので、他の楽器と比べるとフルートは非常に高価な楽器です。そういった背景において、昔はオモチャのような作りの物が1万円とかで売られていて、それらはまったく使い物になりませんでした。

 

しかし今では3万円ほどの価格で、実使用にかなうフルートがあります。聞いたことのないメーカーなので「無印」扱いになりますが、想像どおり中国製です。家電品同様に、中国製の楽器の品質はけっして悪くありません。
参照 >>>> フルートの比較とクチコミ

結論として...

 

材質; 白銅

 

配列; オフライン

 

キー; リングキー

 

Eメカ; 付き

 

メーカー; YAMAHA

 

新品は7万円近くしますが、オークションなどで中古を探せば3万円前後の物が見つかるでしょう。ただし、すぐにメンテナンスが必用になってりしますので可能であれば新品購入がいいです。

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