フルート頭部管で音出し

まずはフルート頭部管だけで音を出す

フルートは3つのパーツに分解してコンパクトに携帯できる楽器でして、このような楽器はオーケストラの中では珍しいものです。小学校の音楽の授業で誰でもやってことのあるリコーダーも同じなので、そういう意味では庶民に馴染みがあるとも言えます(元々、フルートはリコーダーから進化したもの)。これにより、管体内部のクリーニングが楽にできますし、足部管をC管からH管に交換することもできます。

 

 

フルートに始めて挑戦する人が最初にやるのは、頭部管だけを使った音出しの練習です。どの教材でもこれを最初にやらせますし、どこのフルート教室に行っても最初にやらされます。リコーダーとの決定的な違いが最初の最初からあるわけでして、ここでいきなりテンションが下がる人がいるかと思います。

 

 

頭部管だけを使って練習するのはなぜか。それには大きく2つの理由があります。

 

@体力を無駄に消費しないため
フルートは小型軽量の楽器ですが、それでも長時間続けて持っているとけっこう疲れます。口の位置に微妙な感覚で楽器を持っていくので、フルート体力のない初心者は両腕がプルプルと震えてしまいます。安定して美しい音色が出るようになるには数日かかりますので、「こんなに疲れるとは思わなかった」と挫折してしまうのを予防する効果が高いのです。

 

Aアンブシュアだけに集中するため
唇(くちびる)、口腔(口の中)の形のことを「アンブシュア」といいます。フルートの音はこれだけで決まるといっても過言ではありません。全神経を削ぎ澄ませ、これだけに集中するには余計な動作が他に何もない方がいいのです。

 

頭部管の練習は2ステップで行う

頭部管だけで音を出すのは、ビールビンに唇を当てて「ボ〜」という音を出すのに似ています。音が出る物理的な理由は正確には解明されていないようで、だからこそ経験でコツを習得するしかありません。

 

どのような角度で息を吹き込むのか、息の強さはどのくらいがいいのか、唇を押しつける強さはどれくらいか...などなど。これらは、まさにフルートで音を出すためのコツと共通です。

 

 

 

頭部管だけで音を出す方法は2つあります。まずは、右手のひらで頭部管を塞いで音を出してみましょう。これなら簡単に音が出るはずです。難易度としては、ビールビンの口で音を出すのと大差ありません。

 

 

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