フルートで低音から高音を吹きわける方法
頭部管だけで右手を使えば音が出るようでしたら、次は右手を離して音を出してみましょう。いきなり音が出なくなったのではないでしょうか。この状態で音が出ればフルートを組み立てても大丈夫なのですが、出ないようでしたら頭部管だけで辛抱強く頑張ってください。
フルートを組み立てて、低音の「ミ(E)」や「ファ(F)」の音であれば、頭部管だけで音を出すよりも簡単かもしれません。しかし、それを先にやってしまうと逆にあとで苦労しますので、ここは頑張りどころです。
下の動画はデジタルレコーダーのチューナーを使って、私が頭部管だけの音出しをしているところです。まずは、右手で端を塞いで音出し。低音A(ラの音)がほとんど正確に出ています。続いて右手を開放して音出し。これで中音Aが出るのですが、息をしっかり腹(横隔膜)でホールドしないと音は安定しません。
中音Aが出たら、高音Aに挑戦しましょう。フルートは息のスピードで低音と中音、そして中音と高音を吹きわけるのですが、そのとき重要なのがアンブシュア(唇と口腔)です。まず意識したいのは広角。息を出す穴(アパーチャー)を小さくしていくと息の量が減りますので、減った分だけ強く出すイメージです。それで息のスピードが上がります。
アパーチャを広げ、息の角度を下方向にする(歌口の中に息をたくさん入れる)と低音域が出ます。このとき、下の歯は後ろに引きます。
アパーチャを小さくし、息の角度を上に上げていく(歌口の中に入る息を少なくする)と高音域が出ます。このとき、下の歯は前に出していきます。
エッジの角度と息の角度のセッティングは中音域が出るところで合わせていきましょう。
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