フルートのブレス(息つぎ)を舐めてはいけない
吹奏楽器は息を吐いて音を出すので、息が切れたらブレス(息つぎ)をする必要があります。歌うときにも私たちはブレスをしながら歌っているわけですが、カラオケではあまりブレスを意識していませんね。それは歌うことは話をすることの延長線上にあって、無意識にブレスができているからです。しかし、歌も水準が高くなるとブレスの方法や技術というものが適当ではすまされません。
ブレスについても、あらゆる吹奏楽器の中でフルートは最も難しい部類です。それは、フルートはロングトーンが難しいということと密接に関係しています。ロングトーンが苦手だと、以下のような悪循環に陥ってしまいます。
長いフレーズ(長い小節)を吹くことができない
↓
頻繁にブレス(息つぎ)をする
↓
曲全体がブツブツ切れた印象になる
プロのフルーティストの演奏を聞くと、ブレスの回数が少ないことに加えて、ブレスの速さに驚きます。聴衆を酔わせる演奏というものは、その美しい音色だけではなく、息の長さやブレスのテクニックという土台の上に成立しているのです。
タンギングが強すぎる場合も曲がブツ切れに聞こえてしまいます。
息が短い人(ロングトーンが苦手な人)ほどブレスのテクニックを磨かないといけません。と聞いて???と思うかもしれませんが、フルート・ビギナーにとってブレス(息つぎ)は以外にも難しいものです。
フルートのブレス(息つぎ)の方法
フルートの基礎として欠かせない複式呼吸ですが、「ゆっくり深く吸う」という練習を続け、それが固定観念になってしまうと実際のフルート演奏で失敗してしまいます。どうしてかといえば、フルートのブレス(息つぎ)の真髄とは
すばやく & 深く
なのですから。
「ブレスは複式呼吸で」という意識が強いと、どうしても息を吸うのがゆっくりになってしまって曲のテンポに乗り遅れてしまいます。
優先させるべきは「すばやく」の方です。「深く吸う」を優先させると、吸いきるのに時間がかかってしまってテンポが乱れます。ブレスの回数が多くなったとしても、テンポを乱さないようにすることが重要です。
そして、プロでも解決するのが困難な問題として吸うときの音というものがあります。息を吸うときに音が出ないのが理想なのですが、「すばやく&深く」でやると、どうしても「ハッ」という音が発生してしまいます。
音が出ないようにしようと思うと「深く吸う」ができなくなってしまいます。なので、これについてはあまりナーバスにならないようにしましょう。
フルートのブレス息つぎ関連ページ
- フルートの持ち方(構え方)
- フルートの持ち方は一般の教材では両足と上半身の捻りとかから解説されていますが、大事なのは...
- フルートのチューニング
- JVC(日本ビクター)のデジタルレコーダーを使ってフルートのチューニングをしてみました。このレコーダーは自分のフルート演奏を録音してチェックするのには最高です。
- フルートのタンギング
- 大げさなタンギングをしてしまうと下手に聞こえてしまうので注意が必要です。違う音符が連なる場合、どのていどのタンギングをするべきかは慎重に判断しないといけません。
- フルート 滑り止め
- 右手の親指が汗で滑るのを防止するアイテムとしては、このサムポートがあります。
- フルートの循環呼吸
- フルートをたった3か月でマスターする、超練習法のご紹介です。これなら絶対に挫折しません。いえ、挫折させません。
- 丹田と「お腹の支え」
- 上級者は「お腹の支え」で絶妙なコントロールをしているのです。言い換えるならば「お腹で絶妙なブレーキをかけている」ということになります。