人気の外国製フルート
ナガハラ/日本人によるアメリカンフルート
創業者の永原完一氏はもともと日本のフルートメーカー三響に勤務する技術者でしたが、渡米してパウエルに入社しました。アメリカ製のフルートに何か日本のメーカーに足りないものを感じ取ったからです。その後独立し、アメリカのボストンでナガハラフルートをスタートさせました。それが1991年のことで、会社の設立は永住ビザを取得することが目的だったそうです。
ナガハラの名を世界に知らしめたのは
ジェームズ・ゴールウェイの愛器として選ばれたことです。それまでパートナーであるフルートに何かしら問題をかかえていたゴールウェイは、ナガハラに試奏会で出会ってから一気にそれから開放されたようです。
ナガハラのフルートはもちろん全てがハンドメイドでして、そのこだわりようは日本のあのムラマツをはるかに超えています。価格は安いものでも500万円からとなっており、日本では山野楽器を通してわずかに入手可能です。
中古市場でも200万円は下らないものですので、私達にはほとんど縁のない楽器といえます。
ジュピター/台湾フルート
今やオカリナの製造技術と販売シェアにおいては日本を追い越してしまった台湾ですが、フルートの製造販売も躍進しています。その代表がジュピターです。
親会社(K.H.S)が日本の大手フルートメーカーであるアルタスを買収し(アルタスブランドはそのまま)、技術をそっくり吸い取ったのです。
価格は7万円前後。全て洋銀を使ったモデルで、
初心者から初級者がターゲットの戦略をとっています。音色はアメリカ人好みの明るいかんじで、デザインはいたってシンプル。白銅らしい吹きやすさなので初心者にとって何の問題もないようです。
エントリーモデルは初心者用フルートの代表であるYAMAHAの2シリーズと同じ仕様で、ほぼ同じ価格。であればYAMAHAを選ぶでしょうね、普通。
モデルや価格の比較表はこちらを御覧ください。 >>> フルートの比較とクチコミ
ジュピターはどっちかといえばアルトやバスフルートといったアンサンブル用のフルートとして日本では重用されています。品質が高くてしかも安いからです。
パウエル/アメリカンフルート
1927年設立の老舗メーカー。創設者のパウエルは親が宝石商を営んでいた経緯で幼いときから彫金が得意でした。当時はまだフルートといえば木製が主流だったそうですが、あるとき出会った銀製のフルートに魅了され、なんと自宅にあった銀のスプーンで銀のフルートを作ったのでした。そのフルートはたちまち評判となり、ヘインズ社のチーフクラフトマンを経て独立したのです。
エントリーモデル |
頭部管は銀製、その他は洋銀。価格は21万円。 |
---|---|
総銀ハンドメイドモデル | 価格は100万〜200万円。 |
総金ハンドメイドモデル | 価格は200万〜700万円。 |
パウエルフルート(ハンドメイド)の特徴は音色だけではなく、革新的なデザインや装飾性です。さすがは宝石商譲りと思わせるフルートです。
「金のフルートは重くて息の量も必要」という従来のイメージを払拭する新設計のパウエルフルート。特に、キーシステムのパイプを細くすることでフルートにありがちな手前に回転しようとする重量バランスの崩れを解消しているのが魅力的です。600万円以上もする高価なフルートですが、軽い息でも吹けるということなのでビギナーにもやさしいモデルのようです。
ヘインズ/アメリカンフルート
フルートという楽器がヨーロッパで生まれ育ったことは想像するに容易いことです。しかし、今やその最先端はアメリカ(ボストン)にあることは一般には知られていません。1888年、二人のヘインズ(ウイリアム・ヘインズ、ジョージ・ヘインズ)によって設立されたヘインズフルートがその先駆けとなったのです。
日本に現存する最も古いムラマツフルートは、ヘインズ社のフルートによく似ているとされます。それもそのはず、ムラマツはヘインズをお手本としてこれまでの実績を築き上げたのですから。
総銀製ハンドメイド |
ドローン式(引き上げ)トーンホール:160万円 |
---|---|
総金製ハンドメイド | ソルダード式(ハンダ付け)トーンホール:530万円 |
特別仕様 | ランパルモデル:700万円 |
ルイ・ロット/フレンチフルート
世界で最も歴史あるメーカーの一つ。今では
ビンテージフルートといえばルイ・ロットの名が上がるほどです。ベーム式フルートのライセンスを得て、1855年に製造販売を始めました。
洋銀製のフルートは今では初心者向けのモデルとして定着していますが、当時はそういったイメージは全くなかったそうです。ですので、ルイ・ロットの洋銀製フルートは中古品であっても100万円前後する相場となっています。
ビンテージフルートは今でもじゅうぶん魅力的な音色を奏でるのですが、A音が440ヘルツに国際標準化される以前のものですので現在の音楽シーンで使うには無理があるようです。
ハンミッヒ(ジャーマンフルート)
現代フルートの生みの親テオバルト・ベームの直系ともいえる、現存する世界最古のフルートメーカー。管体は木製、キーメカニズムは銀、そしてカバードキーというジャーマンフルートの伝統を守り抜いています。
現在ではピッコロがメインのラインナップで、フルートは1モデルのみ製造販売しています。100万〜200万円。
フルートメーカー(海外)関連ページ
- フルートの構造と種類
- 笛という楽器の原点は、草笛みたいな自然にあるものだったはずです。それが進化して現代に至り、最先端がこのカバードキーのシステムを持ったフルートです。
- フルートの材質と価格
- 入門用としてのフルートは白銅製が一般的です。安い中国製が新品で3万円前後からあるので、今では気軽にフルートを始められるようになりました。
- リングキーが登場した背景
- 本来リングキーはハイレベルなフルート演奏をするために開発されたものではありません。
- ドローンかソルダードか
- ソルダード方式のフルートはハンドメイドですので製作に時間がかかるため高額になります。音色に響きと重厚さがあるので今やほとんどの上級者やプロが使用しています。
- 初心者向きのフルート
- 日本のメーカーで庶民的なのは、やはりYAMAHA。といっても最低6万円はしますので、他の楽器と比べるとフルートは非常に高価な楽器です。
- フルートメーカー(国産)
- 日本を誇るフルートメーカーを紹介します。今や日本のフルートは世界のアーティストが愛用し、賞賛されるものになっています。
- フルートの比較とクチコミ
- フルートって実は木管楽器なんですね。その理由や、数種類あるフルートから自分に合うのはどれかを指南いたします。